外壁塗装を専門業者に依頼するときは、まず見積もりをとってどれくらいの費用がかかるのかを把握することになります。
その際、外壁塗装見積書を目にすることになると思いますが、初めて見る場合には見慣れない項目が多く、何を意味しているかが分からないことも出てくるはずです。
見積もりの内容が適正なものであるかを知るためにも、あらかじめ外壁塗装見積書に記載される項目について知っておきましょう。
また、あわせて外壁塗装見積書をチェックする際に押さえておきたい注意点も紹介していきます。
外壁塗装見積書の見方と項目の例
外壁塗装見積書には、かかる費用が項目ごとに記載されています。
業者によって書き方に多少の違いはありますが、以下のような項目が記載されていることが多いです。
また、使用する塗料の詳細や塗装する面積などに関する記載もあります。
足場
高い場所の外壁を塗装するうえで必要となる足場を組み立てるための費用です。
施工後に解体を行う費用も含まれます。
外壁塗装では、単管足場あるいはピケ足場という足場が選ばれることが多いです。
足場は職人が安全に作業を行うために必須なもの。
快適に作業ができるかは外壁塗装の仕上がりにも関ってくるので、無視できない費用となります。
養生
塗装を行う際、外壁以外に塗料が飛び散って汚れないようにするための費用です。
足場と組み合わせて外壁の周辺をシートで覆ったり、アルミサッシにテープを張ったりとその方法はさまざまですが、綺麗な仕上がりを目指すために重要な費用となります。
また、近隣の家に塗料が飛び散ることも防げるので、トラブル防止のための費用と捉えることもできます。
業者によっては足場と同じ項目に含まれることもあるようです。
高圧洗浄
塗装を行う前に高圧洗浄機で外壁の汚れなどを落とすための費用です。
外壁を塗装して出来た塗膜は、時間の経過と共に劣化していきます。
劣化した部分が粉状になるチョーキング現象が起きていることも珍しくありません。
劣化したままの状態で新たに塗装を行うと、チョーキング現象の影響ですぐ剥がれ落ちてしまうケースが出てきます。
そのため、塗り替えた塗料を長持ちさせたいのであれば、高圧洗浄は必要となる費用です。
また、塗装の妨げとなるカビや藻などの汚れを落とす効果もあります。
なお、高圧洗浄の際は、依頼者の家の水道からバケツなどの容器に水を出す場合がほとんどです。
そのため、作業代とは別に水道代がかかると考えておきましょう。
下地調整
下地調整は外壁に生じているヒビ割れをシーリング材で直したり、金属部分の錆びを落としたりするなど、塗装前に行う作業にかかる費用です。
業者によっては高圧洗浄の費用がこちらの項目に含まれることもあります。
下地調整は塗装の仕上がりに大きな影響を与える作業なので、非常に重要な費用です。
下塗り
外壁塗装において最初に使う塗料の塗装にかかる費用です。
シーラー・プライマー・フィラーなど、下塗り塗料の種別で記載されることもあります。
下塗り塗料は、中塗り・上塗りに使う塗料と下地を密着させるために重要な役割を果たす塗料です。
中塗り
下塗りの後で使用する塗料の塗装にかかる費用です。
一般的に外壁塗装をする際の塗装作業というイメージに近いものとなります。
使われる塗料は基本的に上塗りと同じものですが、塗装のムラをなくすために中塗りは必要です。
業者によっては、中塗りと上塗りを合わせて上塗りの項目にしている場合もあります。
上塗り
中塗りの後で使用する塗料の塗装にかかる費用です。
前述した通り、中塗りに使用した塗料と同じ製品を使うことが一般的です。
ただし、中塗りをしっかり行っていることを証明するために違うカラーの製品を使うこともあります。
耐久性や外観の違いを生む、外壁塗装の肝と言える部分なので、しっかりとチェックしましょう。
使う塗料の種類によって費用が大きく変動する項目でもあります。
付帯塗装
付帯塗装は、外壁と屋根以外の部分の塗装にかかる費用です。
軒裏や雨どい、水道の配管などさまざまな部分の塗装費用が含まれます。
外壁と屋根だけを綺麗に塗装しても、それ以外の部分がボロボロだと家の外観は悪くなります。
そのため、外壁塗装の際、一緒に塗装を行うことが多いです。
外観を美しく維持するための費用と考えましょう。
ベランダの防水施工
ベランダを防水塗料で塗装したり、防水シートを貼ったりする防水施工のための費用です。
ベランダに汚れやカビが目立ち始めている場合、外壁塗装をするタイミングでベランダの防水施工も行うことをおすすめします。
コーキング打ち替え
外壁にサイディングボードなどのパネル材を使っている場合に、そのつなぎ目となるコーキングを打ち替えるための費用です。
外壁の中でも劣化しやすい部分なので、外壁塗装をする際に修繕しておくことをおすすめします。
コーキング打ち替えはサイディングボードを長持ちさせるためにも役立つ作業なので、外壁塗装のコスパにも関わる費用です。
保証について
外壁塗装自体の費用に加えてチェックしておきたいのが、施工に対する保証です。
業者によって保証の制度は異なるため、どの費用をどれくらいの期間保証してもらえるかを確認しておくことをおすすめします。
万が一業者が倒産した場合でも保証が有効かどうかについても事前に把握しておきたいところです。
見積書を見るときに押さえておきたい注意点
外壁塗装見積書を見るとき、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
最低限押さえておきたい注意点を紹介していきます。
全ての箇所が記載されているか
見積書の全ての項目に金額が記載されているかは、最初にチェックしておきたいポイントです。
金額が記載されていない箇所がある場合、その工程が行われない可能性があるからです。
足場なしで塗装の作業をしたり、高圧洗浄を行わずに塗装を開始したりする業者なのかもしれません。
他の項目にまとめて記載されている、無料サービスになっているなどのケースもありますが、記載のない項目があるなら一度確認をとった方が無難です。
塗装の工程が3度塗りになっているか
外壁塗装は3度塗りが基本です。
下塗り、中塗り、上塗りという順番で塗装を行っていきます。
しかし、悪質な業者の場合、下塗りと上塗りだけで済ませてしまう場合があるため、注意が必要です。
下塗り・中塗り・上塗りの3つの項目全てが記載されているかチェックしておきましょう。
もし中塗りの項目がない場合、中塗りの費用が上塗りに含まれているのかどうかを業者に確認してください。
塗料の詳細が記載されているか
外壁塗装に使用する塗料の詳細が記載されているかは重要なポイントです。
一口に外壁塗装用の塗料といっても、製品ごとに耐用年数や機能性は大きく異なります。
たとえ価格が安かったとしても、耐用年数が短ければ塗り替えの頻度が増すため、結局かかる費用が高くなってしまいます。
また、一般的な価格と大きく差がついていないかを確かめるためにも、塗料の詳細は知っておきたいところです。
もし塗料の詳細が確認できない場合、こちらの意図と異なる塗料を使われてしまうリスクも出てきます。
部分的に安い塗料を使用していないか
塗装の工程で部分的に安い塗料を使用していないかどうかも見積書を見る上で注意すべき点となります。
中塗りや上塗りの塗料にグレードの高いものを使っていたとしても、付帯塗装などに安い塗料を使っているケースがあるからです。
安い塗料を使った部分は劣化しやすく、家の外観を損ねる要因となります。
外壁の一部が劣化すると、他の部分が綺麗な状態でも結局塗り替えをしなければならない事態になってしまいます。
長期的にかかる費用を節約する意味でも、部分的に安い塗料を使う施工は避けなければなりません。
施工範囲の面積や数量は具体的か
外壁塗装にかかる費用は、施工範囲の面積や数量によって変わってきます。
見積書に塗装する面積や使用する塗料の数量が具体的に記載されているかチェックしてください。
もし具体的な記載がない場合、手抜き工事が行われる可能性が出てきます。
塗料メーカーのウェブサイトなどに掲載されている塗装に必要となる標準的な量を調べて、見積書の内容と比べてみることもおすすめです。
適正価格になっているか
見積書に記載された金額が適正価格になっているかは、当然注意しておくべきポイントです。
悪質な業者の場合、こちらに知識がないからと一般的な相場よりも高い金額を請求してくることがあります。
見積書のそれぞれの項目におかしい数字が混ざっていないか、細かく見ていきましょう。
また、逆に相場と比べて安すぎる項目がある場合、品質などの面に何らかの問題が潜んでいる可能性が出てきます。
業務用高圧洗浄機を使用しているか
見積書に高圧洗浄の項目があっても、業務用高圧洗浄機を使っているとは限りません。
悪質な業者の場合、家庭用高圧洗浄機を使って費用を節約しているケースがあります。
外壁塗装における高圧洗浄では、十分な水圧を持った高圧洗浄機を使うことが肝心ですから、使用している高圧洗浄機のスペックも確かめておきましょう。
外壁塗装の適正価格を知るには
割高な見積書の内容に気づくためにも、外壁塗装の適正価格を知っておくことは重要です。
外壁塗装の適正価格を知るために、以下のような方法を実践することをおすすめします。
それぞれの項目の相場を知っておく
地域差はありますが、それぞれの項目にかかる費用はある程度の範囲に収まります。
価格相場をある程度把握しておけば、割高な請求をされた際にすぐ指摘することが可能です。
塗料の価格などもメーカーや大手業者のホームページを確認すれば、だいたいの目安が分かります。
複数の業者で見積もりをする
適正価格を知る上で複数の業者に見積もりを依頼することは非常に有用です。
1つの業者の見積もりだけを見るよりも、複数の業者の見積もりを比較しながら検討した方が外壁塗装にかかる費用の感覚を掴みやすくなります。
また、他の業者と比べて明らかに高い見積もりを出してくるような悪質な業者に依頼せずに済むというメリットもあります。
こんな業者は依頼してはダメ!
外壁塗装業者を選ぶ際、依頼してはダメな業者にはどんな特徴があるのでしょうか。依頼すべきでない業者の特徴について、以下で紹介します。
コミコミ価格で見積もりを出す
コミコミ価格で見積もりを出す業者は、一見するとお得なように思えます。
しかし、激安のコミコミ価格で施工する業者は塗装の工程を省略したり、安い塗料を使用したりとどこかしらで手を抜いているものです。
また、コミコミ価格を謳いながら、外壁塗装に必須の作業を有料オプションに設定している業者も存在します。
項目ごとに適正価格をチェックすることも難しくなるので、コミコミ価格の見積もりを出す業者への依頼はやめておくべきです。
オリジナルの塗料をおすすめしてくる
オリジナルの塗料をおすすめしてくる業者への依頼もしない方が無難です。
オリジナルの塗料の機能性を聞くと何だかすごい製品のように感じるかもしれません。
しかし、実は既存の製品とほぼ同じ塗料を別のパッケージで取り扱っているものがほとんどです。
製品名が違うだけで値段が割高というケースも多いので、しきりにオリジナルの塗料をすすめてくる業者は避けるようにしてください。
「足場代無料」などのキャンペーン
「足場代無料」などのキャンペーンは魅力的に見えますが、本当にお得かどうかは実際の見積もりを見てみるまで分かりません。
足場代を無料にする代わりに他の項目で請求する金額を増やしている場合があるからです。
お得なキャンペーンを理由に即決するのではなく、複数の業者の見積もりを比較してトータルでかかる費用も安いのかを確かめてみてください。
保証期間が長すぎる
保証期間が長ければ長いほど安心できるというわけではありません。
例えば、塗料の耐用年数以上の保証期間を設定している場合、実際に保証を受けられるどうかは怪しいです。
保証してもらおうとしたときになにかと理由をつけて対応してくれない可能性も高くなります。
長い保証期間が付いていたとしても、実際に使えなければ何の意味もありません。
また、自社での保証の場合、保証期間が長くても業者が倒産してしまうリスクがあります。
保証期間が長いかどうかだけでなく、適切な長さかどうか、第三者が関わっている保証なのかもチェックしてから依頼する業者を選びましょう。
外壁塗装見積書の見方や例、押さえておきたい注意点~まとめ~
外壁塗装見積書に記載されることの多い項目と、見積書を見る際の注意点を紹介しました。
信頼できる業者に外壁塗装を依頼するためにも、見積もりのチェックは慎重に行いましょう。
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