外壁塗装に使われる塗料は製品ごとに異なる特徴を持ちます。
価格の違いはもちろんですが、外壁塗料の特徴の違いを把握しておくことで状況に合った適切な製品を選びやすくなるはずです。
そこでこちらの記事では、日本の外壁塗料メーカーが販売している各製品が持つメリット・デメリットについて解説していきます。
住んでいる地域・施工業者によってもベストな選択は変わってくると思いますが、ぜひ外壁塗料選びの参考にしてみてくださいね。
日本ペイント株式会社
日本ペイント株式会社は明治14年に設立された光明社の流れを汲んだ老舗の外壁塗料メーカーです。
日本3大塗料メーカーの1つとして大きなシェアを誇っています。
ケンエースG-2
ケンエースG-2は防かび・ヤニ止め・しみ止めなどの効果を持った塗料です。
塗装した後には素早く乾燥するため、施工期間が短い外壁塗装に向いています。
耐水性にも優れているので、湿気がこもりやすい場所の塗装にも向いた製品です。
ただしつや消し塗料であるため、外壁を塗り替えた感じはあまりせず、控えめな印象になります。
DANシリコンセラ
DANシリコンセラは従来の塗料と比べてより耐久性に優れた塗料です。
弾性があるためひび割れにも強く、雨水の侵入を防ぎやすい製品となっています。
耐汚染性や防藻・防かび機能などにより、美しい外壁を保てる点でも定評のある塗料です。
最高級の塗料であるため、施工価格が高めになる点がデメリットです。
DANフレッシュ
DANフレッシュは防水効果に優れ、壁体内結露を防ぐのに適した塗料です。
DANシリコンセラと同じく防藻・防かび機能を有しており、低汚染性にも優れています。
1液型の水性塗料なので臭いが少なく、人体にも環境にも優しい製品です。
ただし、金属製や木製の外壁に対しては使用できません。
ファインウレタンU-100
ファインウレタンU-100は多くの古い塗膜への適性を持つ、塗り替えに適した塗料です。
塗料用シンナーで希釈して使う製品ですが、刺激臭が強くないため使いやすいという特徴を持ちます。
ローラーやはけ塗りがしやすい点も大きなメリットです。
ただし、2液型の塗料なので硬化剤と混ぜるという手間がかかってしまいます。
水性ファインウレタン
水性ファインウレタンはファインウレタンU-100を1液型の水性塗料にした製品です。
硬化剤と混ぜる手間が省け、臭いも少なくなっています。
その代わり、適用下地の範囲が狭まっているため、場合によっては塗り替えに使えないこともあります。
水性シリコンセラUV
水性シリコンセラUVは高い耐久性・耐汚染性を持つシリコン系の塗料です。
水性塗料なので、塗装時の安全性にも優れています。
外壁の劣化スピードを抑制して塗り替えの頻度を減らしたいという場合に重宝する製品です。
下塗りと上塗りのどちらにも使えますが、住宅外壁用の塗料であることに注意しましょう。
ファインシリコンフレッシュ
ファインシリコンフレッシュは扱いやすさと高耐候性を両立したシリコン系塗料です。
特殊セラミック成分による超低汚染性、バイオ技術による防藻・防カビの機能も持つ製品となっています。
変色も少ないとの評判で、外壁の外観にこだわるなら良い選択肢となってくれる塗料です。
弱溶剤系なので、使用時の臭いが若干気になるかもしれません。
パーフェクトトップ
パーフェクトトップはラジカル制御技術を用いて合成樹脂の劣化を防ぐことで、高い耐久性を確保した塗料です。
綺麗な光沢感を出すこともでき、汚れにも強いので外観維持に適しています。
ただし、新しいタイプの塗料であるため、施工実績はまだまだ少ないです。
業者によっては取り扱っていないケースも多いので注意してください。
ファイン4Fセラミック
ファイン4Fセラミックは耐久性・耐汚染性・防かび性・防藻性などに優れた人気の高いフッ素系塗料です。
フッ素系塗料の中で最もメジャーな塗料として評価されています。
耐用年数が長いため、塗り替えの頻度を減らせるというメリットもあります。
ただし、塗料としての価格は高めです。
コストパフォーマンスを考えれば悪くはありませんが、初期費用が多くかかる点はデメリットです。
エスケー化研株式会社
エスケー化研株式会社は日本ペイント株式会社と同じく、日本3大塗料メーカーに名を連ねるメーカーです。
建築仕上げ塗材の分野ではトップシェアを誇っています。
エスケー化研からも数多くの塗料が販売されていて、こちらの塗料メーカーを選んでおけばまず失敗することはありません。
セラミクリーン
セラミクリーンは優れた耐久性と低汚染性が特徴のシリコン系塗料です。
防かび・防藻の機能や防水性にも優れています。ひび割れにも追従するので、美しい外観をキープしたいなら選択肢に入ってくるはずです。
ローラー塗装できるところも便利です。
ニュートップレスクリーン
ニュートップレスクリーンは外壁用の仕上げ塗料です。
乾きやすいことに加えて、上塗りを省略することができるので施工期間を短くすることができます。
透湿性に優れており、弾性塗膜でありながら風船のような膨れを防止しやすい製品です。
耐用年数が短めとなっているため、頻繁に塗り替える必要がある点がデメリットです。
クリーンマイルドウレタン
クリーンマイルドウレタンはセラミック複合技術によって超低汚染性能を有した塗料です。
耐久性も高く、防かび・防藻の機能や透湿性にも問題はありません。
旧塗膜への適性も高く、さまざまな下地の上に塗ることが可能です。
ただし、下地の状態によっては目荒らしが必要となることもあります。
クリーンマイルドシリコン
クリーンマイルドシリコンはクリーンマイルドウレタンと同じく、セラミック複合技術による超低汚染性能を有した塗料です。
シリコン系の塗料の中でも耐久性が高く、値段もリーズナブルと評価が高いです。
ただし、弾性塗料ではないので、塗装してから長期間が経過するとヒビ割れが気になることがあるかもしれません。
水性セラミシリコン
水性セラミシリコンは水性塗料の中でも高い耐久性を持つ製品です。
低汚染性能が高く、大気中に含まれるチリや排気ガスなどにも強いという特徴を持ちます。
水性なので臭いや火災の心配をする必要もありません。
ただし、塗装前に下地調整の手間がかかります。
アートフレッシュ
アートフレッシュは砂壁・土壁風の外壁の塗装に役立つ塗料です。
細かい石粒を含んでいるため、外壁の素材感を活かしたままで塗り替えを行うことができます。
ただし、下地のパターンによっては適さないケースも出てきます。
クリーンSDトップ
クリーンSDトップは外壁を雨や紫外線から守ることに適したクリヤー塗料です。
紫外線吸収剤と光安定剤が含まれるため、紫外線による外壁へのダメージを軽減できます。
また、セラミック成分の複合化によって雨水で汚れを洗い流せるようになるため、超低汚染性も持つ製品です。
クリヤー塗料なので、既に付いてしまっている外壁の傷や汚れをカバーしにくいことが欠点となります。
水性クールテクトSi
水性クールテクトSiは日光による外壁の温度の上昇を抑えることができる塗料です。
遮熱性と耐久性に優れているので、夏場の室温上昇や熱による劣化を防ぐ効果も期待できます。
その反面、日光が当たらない場所では特徴が活きないので、影になる部分の多い外壁に使うのは無駄が多いかもしれません。
エスケープレミアムシリコン
エスケープレミアムシリコンは紫外線・酸素・水による劣化を防ぐトリプルガード効果を持つ塗料です。
トリプルガード効果によって外壁が長持ちするため、塗り替えの頻度を減らすことができます。
エスケープレミアムシリコンはラジカル塗料という新しいカテゴリに入る商品なので、施工実績が少ない点はデメリットです。
クリーンマイルドフッソ
クリーンマイルドフッソはフッ素系塗料の中でもリーズナブルな価格帯の製品です。
クリーンマイルドシリコンよりも耐久性が高く、耐久年数が長く設定されています。
下地適用性も高く、さまざまな外壁の塗装に使える塗料です。
ただ、リーズナブルと言ってもウレタン系やシリコン系の塗料と比べると割高になります。
関西ペイント株式会社
関西ペイント株式会社は日本3大メーカーの1つで、業界1位の売り上げを誇ります。
外壁塗料だけでなく、自動車用塗料の分野でも有名なメーカーです。
アレスリシン
アレスリシンはモルタル・コンクリートの外壁仕上げ用に開発された塗料で、通気性に優れるという特徴を持ちます。
骨材入りのタイプは防火材料としても認定されています。
塗装後の仕上がりが砂壁状になるため、家によってはイメージと合わないこともある点がデメリットです。
アレスアクアレタン
アレスアクアレタンは超水性塗料と呼ばれる製品です。
密着性と速乾性に優れているので、短期間での施工にも向いています。
低臭ウレタンなので、作業中の臭いもそれほど気になりません。
シリコン系塗料やフッ素系塗料と比べると若干コストパフォーマンスの悪さが気になります。
セラMレタン
セラMレタンは低汚染・防カビ・防藻といった特徴を持つウレタン塗料です。
さまざまな旧塗膜への適性があるため、上塗りや塗り替えに使いやすい製品となっています。
2液型の塗料なので、硬化剤と混ぜる作業が必要です。
セラMレタン弾性
セラMレタン弾性はセラMレタンに弾性硬化剤を使った塗料です。
セラMレタンの特徴に加え、弾性・速乾性も有しています。
その代わり、セラMレタンよりも価格が高いです。
コスモシリコン
コスモシリコンは耐候性と耐汚染性の高いシリコン系塗料です。
シンナーを使用しない塗料なので、臭いが少なく人の身体にも優しいです。
最短2時間で乾くので、短期施工にも活用できる製品です。
ただし、同メーカーのウレタン系塗料と比べると販売価格は高めに設定されています。
ドリームコート
ドリームコートは断熱機能を持つ塗料です。
従来の単層弾性塗材と比べて熱伝導率が20%程度に抑えられます。
湿性にも優れているので、壁体内結露を防ぎやすいです。
室内の温度差を減らす効果も期待出来るので、冷暖房費の節約にもつながる製品となっています。
反面、耐汚染性は低いので汚れが目立つことがあるかもしれません。
セラMシリコン
セラMシリコンはセラミック配合のシリコン系塗料です。
耐候性・超低汚染性を持ち、長期間外壁を保護することができます。
防カビ・防藻の機能もある製品です。
肉厚感のある塗装が可能ですが、つやありタイプのみの取り扱いとなる点に注意しましょう。
リベルセラトップF
リベルセラトップFは上塗りに使用されるフッ素系塗料です。
低汚染性・耐候性に優れていることに加え、水性なので比較的安全に作業することができます。
耐用年数は長いものの、販売価格が高いので、初期投資がかさみがちな点がデメリットです。
アレスアクアセラフッソ
アレスアクアセラフッソは外壁の外観を長期間維持することに適したフッ素系塗料です。
マイクロカプセル技術によって親水化に成功した製品で、従来のフッ素系塗料にはない超低汚染性を獲得しています。
リベルセラトップFほどではありませんが価格は高めなので、施工費用が多くかかります。
アレスアクアフッソ2
アレスアクアフッソ2は上塗りに使用されるフッ素系塗料です。
耐候性・低汚染性に優れている他、防カビ・防藻の機能も備えています。
ただし、中塗塗料としてアレスアクアフッソ中塗を使用しなければなりません。
セラMフッソ
セラMフッソは耐久性に優れたフッ素系塗料です。
塗りやすいというメリットがあることに加え、優れた仕上がりという特徴も持ちます。
耐汚染性・防カビ性・防藻性もばっちりです。
デメリットとしては他のフッ素系塗料と同じく施工費用が高めになってしまうことが挙げられます。
株式会社日進産業
株式会社日進産業は宇宙ロケット開発技術を応用して開発した塗料を販売しているメーカーです。
東京都内のビルにショールームを構えています。
ガイナ
ガイナは高い断熱効果・遮熱効果を持った塗料です。
省エネ大賞において審査委員会特別賞を受賞したこともあります。防音・吸音効果を持つ点も他の塗料にはない魅力の1つです。
さらに消臭や除菌といった効果など、さまざまなメリットのある製品です。
その代わりガイナの販売価格は高めで、使用期限もかなり短めに設定されています。
また、色はホワイトが基本なので、濃い色で塗装することは難しいです。
株式会社アステックペイントジャパン
株式会社アステックペイントジャパンは福岡県に本社のある塗料メーカーです。
オーストラリアのメーカーの代理店として2000年に設立されましたが、現在は国内生産を行っています。
加盟店制となっているため一般向けの小売は行われていません。
EC-5000PCM
EC-5000PCMは非常に優れた伸縮率を持つアクリル系塗料です。
防水性もあるので、雨水の浸入を防ぐのにぴったりの製品となっています。
アクリル系塗料の中でも耐用年数が長い点も魅力です。
ただし若干汚れがつきやすいと評価されることもあるようです。
EC-5000PCM-IR
EC-5000PCM-IRはEC-5000PCMに遮熱性を加えた塗料です。
伸縮性・防水性に加えて、室温の上昇を抑えたいならこの塗料を選んでおけば間違いありません。
最高ランクの機能性を持つ代わりに価格は高いです。
シリコンフレックス
シリコンフレックスは水性系の上塗り材です。
耐久性・低汚染性・防カビ性・防藻性といった機能を備えています。
シリコン塗料の機能性とアクリル塗料のリーズナブルさを両立した塗料です。
ただし、木製の壁には塗ることができません。
シリコンフレックスJY
シリコンフレックスJYは溶剤系の上塗り材です。
セラミック配合によって外壁に付いた汚れを雨水で洗い流しやすくなっています。
光沢感・ツヤのある仕上がりも魅力の1つです。
臭いはやや強めなので、施工時には注意が必要となります。
シャネツグロスJY
シャネツグロスJYは耐久性に優れたウレタン系塗料です。
金属の屋根やセメント瓦の仕上げに用いられます。
反射率・熱放射率が高く、遮熱性能を求めるのであればうってつけの製品です。
下地適用性も高めですが、臭いはやや強めになります。
アーマフレックス
アーマフレックスは高い耐久性を持つピュアアクリル塗料です。
紫外線に強く、屋根・外壁のどちらの塗装にも利用できます。
防カビ・防藻機能を持たせることもできますが、オプション品の防カビ剤が必要となる点に注意してください。
スーパーシャネツサーモF
スーパーシャネツサーモFは最高ランクのフッ素系塗料です。
他のフッ素系塗料と比べて高い耐候性を有しており、塗装をしてから長期間持ちます。
商品名からも分かるとおり、遮熱性もあるので冷暖房費の節約もできる製品です。
ただし、最高ランクの塗料ということで施工価格は高めになります。
スーパーシャネツサーモSi
スーパーシャネツサーモSiは特殊な無機顔料を採用した塗料です。
スーパーシャネツサーモFと同じく、高い耐候性・遮熱性を備えています。
色あせしにくいという特徴もあるので、耐久性と同時に美しい外観の維持を重視するならぴったりの製品です。
スーパーシャネツサーモFよりも耐用年数が短い点には注意しましょう。
AGCコーテック株式会社
AGCコーテック株式会社はガラスメーカーの旭硝子の関連会社である塗料メーカーです。
フッ素系塗料を主に取り扱っています。
ルミステージ
ルミステージは紫外線に強いフッ素系塗料です。
クリヤータイプやエナメルタイプ、土壁調タイプなどラインナップが幅広いのが特徴となっています。
耐久性も高く、メーカーの保証期間も長めです。ただし、認定施工店のみでの取り扱いとなっています。
ボンフロン・マットGT-SR
ボンフロン・マットGT-SRは耐候性を持つフッ素系塗料です。
従来のフッ素系塗料にはない完全ツヤ消しを実現しており、落ち着いた外観を目指すにはぴったりの製品となっています。
水性塗料なので施工の際の安全性も高いです。
旧塗膜への適正は少なめなので、塗装できる外壁は限られてしまいます。
ボンフロンサンバリア
ボンフロンサンバリアは赤外線反射顔料とフッ素系塗料を組み合わせた新しい塗料です。
太陽光の熱を反射する性能が高く、室温上昇を防ぎやすい製品となっています。
また、フッ素系塗料ならではの耐久性・低汚染性も兼ね備えており、メンテナンス費用を節約可能です。
木製の外壁には使用できません。
株式会社日本プロツバル
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術を基に開発した省エネ塗料を取り扱う塗料メーカーです。
社名と同じプロツバルシリーズを主に取り扱っています。
プロツバルⅦ
プロツバルⅦは高い遮熱性を持ったシリコンアクリル塗料で、JAXAの種子島宇宙センターでも採用されています。
遮熱塗料の中で価格が安い製品なので、塗装費用を節約したい場合にも適した製品です。
また、特殊顔料を採用しているため、濃く鮮やかな色での塗装もできます。
新しい塗料なので、他の塗料と比べると施工実績が少ないという点は気になります。
外壁塗料メーカーの製品の特徴やメリット・デメリットを徹底解説! ~まとめ~
国内の塗料メーカーが販売しているさまざまな製品について紹介しました。
どの塗料を選ぶかは好みによっても変わってきます。
塗料を選ぶ際は外壁塗装の専門業者へ相談し、機能や費用、安全性を比較したうえでご自宅の外壁にぴったり合う物を探しましょう。
外壁塗装の見積人気依頼ランキングはコチラ
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外壁塗装は、家のメンテナンスには欠かせない内容であり、業者に依頼をすると数百万円の金額になってきます。
一方で、強引な営業や、手抜き工事をされることも多く、業界そのものの信憑性に欠ける要素を持っています。
そんな状況下でも優良な外壁塗装業者は存在します。素人では見抜けませんが、外壁塗装一括見積サイトを通して、厳選なる審査をしているため、安心して優良外壁塗装業者と連絡することができるようになりました。
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