現代の外壁仕上げの主流となっているサイディング外壁。
コストを抑えて施工ができ、デザインにも自由度が高いと人気があります。
しかし、どんなに気に入った外壁も、いずれは経年により劣化してしまうもの。
こちらの記事では、サイディング外壁の補修方法を詳しく紹介し、さらに「DIYで補修できないのか」という内容や「サイディングを長持ちさせるお手入れ方法」についても紹介しています。
ぜひ最後までご覧ください。
サイディング外壁とは!?
サイディング外壁とは、サイディングボードを外側に貼っていく外壁の仕上げ方法です。
従来のモルタル工法に代わり、現代の外壁仕上げの主流となっていて、多くの人から選ばれています。
工場で模様をつけてから出荷されたサイディングボードを貼るだけの施工なので作業効率がとてもいいです。
また特殊な技術を持たない職人でも貼り合わせることが可能であるため利用しやすい工法でもあります。
サイディングにはいろいろな種類があり、素材によっても細かく種類が分かれます。
それぞれの製品によって幅や厚みも変わってくるので、建物に最適なサイディングを使用することが重要です。
サイディング種類別の耐用年数と補修時期の目安
まずはサイディング種類別の耐用年数や補修時期の目安について知りましょう。
木質系
木質系サイディングは自然の木を活かしたサイディングです。
木独特の風合いが美しく、あたたかみのある落ち着いた仕上がりとなります。
断熱性がありますが燃えやすいため、消防法で指定された地域では使用不可です。
耐用年数 6〜10年
補修時期の目安となる症状
・ひび割れ
・チョーキング現象
窯業系
窯業系サイディングは最も選ぶ人が多くなっているサイディングです。
セメント質と繊維質が主な原料として使用され、密度が高く硬いため耐震性や遮音性、防火性に優れているという特徴があります。
シンプルなデザインから凝ったデザインまで幅広いデザインを選べることが人気の秘密です。
耐用年数 7〜13年
補修時期の目安となる症状
・苔や藻
・ひび割れ
・チョーキング現象
・サイディングボードの反り
・シーリングの劣化
金属系
金属系サイディングはスチールやアルミニウムなどの金属鋼板を使用したサイディングです。
防火性と断熱性に優れ、軽量であるため扱いやすくなっています。
窯業系サイディングと同様にデザインの自由度が高くなっています。
耐用年数 10〜15年
補修時期の目安となる症状
・傷がひどい
・大きな凹み
・褐色に変色
・サビ
樹脂系
樹脂系サイディングは塩化ビニル樹脂から作られるサイディングです。
とても軽いので扱いやすく、耐久性や耐候性、弾力性にも優れているので他のサイディングより長持ちすることが多いです。
耐用年数 10〜20年
補修時期の目安となる症状
・色褪せや変色
サイディング劣化の症状と補修方法
それでは、次にサイディング劣化の症状に応じた補修方法を紹介します。
ひび割れ(クラック)が発生
サイディングには経年劣化でクラックと呼ばれるひび割れが発生することがあります。
地震が原因で発生したひび割れは、あまりにも大きかったり箇所が多かったりしなければ、必ずしも補修する必要はありません。
しかしそうでないひび割れ、つまり経年劣化によるひび割れはサイディングが寿命を迎えている証拠ですので、専門の業者に補修を依頼しましょう。
窯業系サイディングの場合はコーキング充填という補修方法がとられます。
コーキングとはサイディングの施工の際に使用される、クッションのような働きをする樹脂のことです。
これを詰め込むことによりひび割れを補修します。
補修の手順としては、まずひび割れ部をきれいに掃除して、ゴミやホコリなどを取り除きます。
それが完了したら下塗り塗料を塗り、コーキングを充填して補修完了となります。
一見簡単そうな補修方法であるためDIYで行おうとする人もいますが、ひび割れの補修は必ず専門の業者に依頼してください。
ひび割れのコーキング充填は一般的なコーキング溝に充填するよりも難しい技術が必要になる作業であることが理由で、正しく行わなければすぐにコーキングの効果がなくなり雨漏りなどが発生する可能性もあります。
サイディング自体が反ってしまっている
サイディングは気候条件によって反りが発生することもありますが、よほど厳しい環境にある建物でない限りは気候条件が原因で反ってしまうことはありません。
そのためサイディングが反っている場合の多くは経年劣化が原因と判断できます。
経年劣化によるサイディングの反りは釘を刺して補修する方法があり、この補修方法では反りの状況によってサイディングの端や真ん中に釘を刺して調整します。
金属系サイディング特有のサビ
サビは金属系サイディング特有の経年劣化による症状です。
アルミやガルバリウムなどは比較的サビに強い素材ではありますが、いずれも絶対にサビが発生しないというものではありません。
アルミの場合はよく見る赤いサビとは違い、白い斑点のようなサビが発生します。
沿岸部などでは特にサビが発生しやすいので注意が必要です。
ガルバリウム鋼板の場合は切断小口からサビが発生するケースが多いです。
金属系サイディングはどこかがサビてしまうと一気に劣化してしまうため、外壁塗装による補修が必要となります。
サイディングが割れたり欠けたりしている
硬いものをぶつけてしまうなど、外的要因によってサイディングが割れたり欠けたりすることがあります。
この場合にはその箇所だけ補修をするのは難しいため、サイディング自体を貼り替える補修が行われます。
ただし注意しなければならないのは、同じデザインのサイディングがまだメーカーに残っているかどうかという点です。
サイディングは年々新しいものが発売され、古いものは製造中止になることも多いです。
部分的にサイディングを貼り替えようと考えても、その時にはもう同じサイディングは手に入らない、なんてことがよくあります。
同じサイディングを手に入れるのが難しい場合は、次のような選択肢があります。
部分的にあえて違うサイディングを取り入れアクセントにする
同じサイディングが手に入らない場合は、外壁の一部分だけ違うサイディングを取り入れ、アクセントとして見せてしまうのが有効です。
最も補修にかかる費用を抑えられるうえ、他の建物とは違った独創的なデザインに変化させることが可能です。
同じ階層のサイディングを全て貼り替える
例えば、破損している箇所が2階なら2階部分のサイディングを全て貼り替えるなど、同じ階層のサイディングを全て交換するのも1つの手です。
こちらも先ほどの手段と同様に、独創的なデザインに仕上げることが可能です。
家全体のサイディングを貼り替える
どうしても一部分だけデザインが変わってしまうのが気に入らない人は、家全体のサイディングを貼り替えるのがいいでしょう。
補修にかかる費用は最も高くなりますが、完全に新しい外壁になるため気分を一掃させることができます。
サイディングの補修はDIYでできるのか
「専門の業者へ頼むと費用がかかってしまうから」「DIYが好きだから」などの理由でサイディングの補修を自分でしようと考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
サイディングの補修はDIYでできるのか、結論から言えば、一時的な補修ならDIYでもできなくはないですが、専門の業者へ依頼したほうが無難で安く済みます。
ホームセンターでパテを購入すれば、サイディングに発生した多少の穴や傷を補修することが可能です。
しかし一時的な補修をしてもいずれは経年による劣化で専門の業者へ依頼することになります。
その際、余計な補修がされているとその部分を取り除く作業が必要になってしまい、追加の費用が請求されてしまうでしょう。
また一時的な補修はやり方によってサイディングの劣化を早めてしまうおそれもあります。
サイディングを長持ちさせる目的で行った補修があだとなり寿命が早まってしまっては元も子もありませんので、サイディングに症状が現れた際には必ず専門の業者へ相談しましょう。
自分でできるメンテナンス方法
サイディングを使用した外壁の場合、定期的にメンテナンスをするだけでサイディングの寿命を長くさせることが可能です。
メンテナンスと言っても定期的に自分で掃除する程度のもので大丈夫なため、時間さえあれば誰でも気軽に行うことができます。
サイディングの種類によって掃除の仕方が若干違いますので、それぞれのメンテナンス方法を紹介します。
木質系サイディングのメンテナンス
木質系サイディングは掃除の際にブラシや金属たわしを使用してはいけません。
ブラシや金属たわしを使用すると表面に傷がついてしまい、逆に汚れがつきやすくなってしまいます。
掃除する際は雑巾やスポンジに水を含ませ、軽くこする程度にしましょう。
水だけでは落ちない場合、中性洗剤を薄めて使用します。
洗剤を使って掃除したら、洗剤が残らないようにしっかり水ですすぎましょう。
洗剤を使用するときも、クレンザーなどの研磨剤が入っているものは傷がつきやすいのでNGです。
酸性やアルカリ性の洗剤も素材にダメージを与えてしまう可能性があるため、必ず中性洗剤を使用してください。
木質系サイディングは洗った後に乾いた布で水分を拭き取る作業が必要になります。
濡れたまま放っておくと腐食が早くなってしまう可能性もあるので、掃除の後はしっかり水分を拭き取るようにしましょう。
窯業系サイディングのメンテナンス
窯業系サイディングの場合も掃除の方法は木質系サイディングと同じです。
優しく洗わないと表面を傷つけてしまうので注意しましょう。
窯業系サイディングは掃除の後の水分を拭き取る必要はありません。
金属系サイディングのメンテナンス
金属系サイディングの場合も木質系サイディング・窯業系サイディングと同じ方法で掃除できます。
軽くこする程度でも汚れが落ちるはずですので、あまりこすりすぎる必要はありません。
こちらも掃除の後の水分を拭き取る作業は不要です。
樹脂系サイディングのメンテナンス
樹脂系サイディングは掃除の際にブラシを使用してもOKです。
大抵の汚れは水で洗い流せば落ちますが、あまりにもひどい汚れは洗車用のブラシなどを使ってこするといいでしょう。
サイディング外壁の補修方法~まとめ~
いかがでしたか、サイディング外壁の補修方法について紹介しました。
サイディング外壁の補修は自分でできなくもないですが、ひび割れや反りなどの症状が発生しているのには必ず理由があります。
どんな症状も「まだ大丈夫」と放っておかず、専門の業者へ相談するようにしましょう。
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