外壁塗装がどれだけ長持ちするかに関わってくるポイントが塗料です。
どの種類の塗料を使用するか、またどのメーカーから販売されている塗料を使用するかによって外壁塗装の耐用年数は大きく変わってきて、次の施工時期もそれにより左右されるでしょう。
しかし外壁塗装に関する知識がない人にとってはどの塗料も同じに見えてきてしまい、選ぶポイントもわからないものです。
こちらの記事では外壁塗装に使用される代表的な塗料メーカーをまとめています。
それぞれの特徴や得意とする分野も紹介していますので、ぜひ塗料選びの参考にしてみてくださいね。
日本ペイント株式会社 ~塗料メーカー~
日本ペイント株式会社は、日本の塗料メーカーの最大手の1つです。
多くの外壁塗装業者がこちらのメーカーの塗料を採用しているうえ、一部上場企業であるため安心して塗料を使用することができます。
国内の3大塗料メーカーの1つとも言われていて、「ニッペ」の愛称でも親しまれています。
日本ペイント株式会社は、選んでおけば間違いない塗料メーカーです。
建築以外の分野も扱う総合メーカー
日本ペイント株式会社は、建築の分野はもちろん工業や自動車、船舶の分野にも精通している総合メーカーです。
建築関係でのノウハウを基盤として、自動車や工業の分野でのノウハウも建築関係の塗料に取り入れられているのは日本ペイント株式会社ならではの特徴です。
そんな日本ペイント株式会社の塗料は全国どこでも購入することができることから、日本各地の色々な気候条件にも耐えうる塗料であるとも考えられます。
選べる色の数が豊富で、同じ色であったとしても少しずつ明るさを調節できるなど、どんなシーンでも活用しやすい塗料となっています。
日本ペイント株式会社の足跡
日本ペイント株式会社は1881年に「光明社」が創立されたところからその足跡が始まりました。
1898年に「日本ペイント製造株式会社」と社名を改め、日本で初めての塗料工業会社として営業が続けられ、現代までその足跡は続いています。
長年続く歴史と豊富な施工実績により安心感はバツグンで、品質や種類についても申し分ありません。
日本ペイント株式会社の代表的な塗料
日本ペイント株式会社から販売されている代表的な塗料を紹介します。
ファインSi
ファインSiは外壁の鉄の部分やサイディングをはじめとする様々な箇所に使用することのできる塗料です。
同程度の価格帯の弱溶剤型シリコン樹脂塗料の中では最も品質が高く、多くの業者から選ばれています。
他のメーカーのシェアを奪うために後から登場してきた塗料で、同じシリコン塗料の高級品としてはファインシリコンフレッシュという塗料もあります。
ファインウレタンU-100
ファインウレタンU-100は2液型の弱溶剤ウレタン樹脂塗料です。
近年高まっているシリコン塗料の人気の中でやや伸び悩んでいる印象はありますが、価格の割に品質が高いと評判です。
他の硬化剤を使用すれば低汚染性がより高まったり、弾性塗料の役割を果たしたりと色々な使い道があります。
ケンエースG-2
ケンエースG-2は弱溶剤型のアクリル樹脂塗料です。
艶を消したい箇所への塗装や、喫煙所への塗装などに効果を発揮しやすい塗料で、木の部分やタバコのヤニなどが表面に浮いてこないよう抑えてくれる性能があります。
外壁表面にもくっつきやすいため、下塗りの代用品として用いられるケースもあります。
日本ペイント株式会社のデメリット
日本ペイント株式会社は塗料メーカーの最大手であるが故に、塗料の価格は全体的に少し高めとなっています。
ただし品質と安心感は一流であるため、トータルで考えるとコストを抑えられるという見方もあります。
よほどのことがない限り、日本ペイント株式会社の塗料を使用して失敗することはないでしょう。
エスケー化研株式会社
エスケー化研株式会社は塗料メーカー最大手の1つです。
2015年には建築仕上げ材の分野で54%のシェアを占め、外壁塗装の業界ではその名前を知らない人はいません。
「快適」「健康」「安全」「安心」「環境」をモットーに日々研究と開発が行われていて、海外にも事業所を持つグローバルな塗料メーカーとして知られています。
他の大手メーカーと比べると価格が安めに設定されているので、気軽に使いやすい塗料メーカーです。
セラミック系の塗料を数多く販売している
エスケー化研株式会社は昭和50年に不燃セラミックを開発することに成功しました。
以降、超低汚染性塗料の草分けとも言われるセラミックハイブリッドの特選特許製品である「セラタイトシリーズ」を発売。
セラミック系の塗料を数多く販売している塗料メーカーとなっています。
エスケー化研株式会社は特殊素材や無機材料、壁装材や化学製品の分野まで手広く扱う、総合メーカーです。
遮熱塗料にも力が入れられている
エスケー化研株式会社では近年の日本国民のエコに関する意識の高まりに応え、遮熱塗料の開発に力が入れられています。
代表的な塗料の1つである「クールタイトシリーズ」は長期間に渡って高い遮熱性を保ってくれる塗料です。
特殊なセラミック成分を配合し、低汚染性も申し分ありません。
室内の環境を快適に保ってくれるので、真夏に冷房を使用する電気代も抑えられます。
エスケー化研株式会社の代表的な塗料
エスケー化研株式会社から販売されている代表的な塗料を紹介します。
セラタイトシリーズ
エスケー化研株式会社のセラタイトシリーズは、耐久性の高いフッ素樹脂にも負けない性能を持ったアクリルシリコン樹脂が使われている塗料です。
セラタイトシリーズは超低汚染性塗料として知られていて、外壁塗装をより長持ちさせたい人から選ばれています。
特殊なセラミック成分を複合化して塗膜の表面を帯電しにくくし、空気中に待っているほこりやちり、排ガスなどが外壁につきにくくなっています。
親水性を持った塗膜を作るため、雨が降る度に外壁がきれいになるセルフクリーニング効果も持っています。
防カビ性や防藻性があるうえ酸性やアルカリ性にも耐えうる塗料なので、気候条件が厳しい地域でも使用することができます。
クリーンマイルドシリーズ
エスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリーズは低汚染性と耐久性に優れた塗料のシリーズで、特許にも認定されています。
セラミック複合技術により塗膜の表面にほこりやちりが付きにくい停帯電性も持っていて、雨で汚れを洗い流せるセルフクリーニング効果もあります。
クリーンマイルドシリーズは弱溶剤タイプであるため、塗料にありがちな鼻を突くにおいが少なく、人体にも環境にも優しくなっています。
コンクリートやセメントモルタルをはじめとし、サイディングやスレートなど様々な下地で用いることが可能なので、使い勝手が良いことも特徴です。
防カビ性と防藻性にも優れているため、湿気の高い場所での使用もOKです。
クールタイトシリーズ
クールタイトシリーズの中でも人気が高いのはクールタイトSiとクールタイトFの2種類です。
クールタイトSiはアクリルシリコン樹脂が使用された弱溶剤系の塗料で、放射熱のエネルギーが大きいと言われている近赤外領域を反射する性能があるため、遮熱性に優れています。
低汚染性と防カビ性、防藻性にも優れているので、汚れが付きにくいうえに長期間きれいな外壁を保ってくれます。
耐用年数は6年から8年を見込むことができます。
もう1つのクールタイトFはフッ素樹脂が使用された弱溶剤系の塗料で、こちらも遮熱性に優れています。
低汚染性や防カビ性、防藻性もクールタイトSiと同じように持っていて、より優れた点は耐用年数が8年から10年と長くなっていることです。
クールタイトSiに耐久性をプラスした塗料、それがクールタイトFなのです。
関西ペイント株式会社
※関西ペイントの業績推移は、公式HPより抜粋
関西ペイント株式会社はビルや高層建築に使われる塗料を中心に取り扱っている塗料メーカーで、ビルやマンションの外壁塗装をする業者や大規模な修繕を行う業者から特に選ばれています。
環境に配慮した塗料の研究と開発にも力が入れられているのも特徴です。
関西ペイント株式会社は外壁塗装に使用される塗料はもちろん、自動車用の塗料など様々な分野の塗料を取り扱っています。
「屋根から始める地球温暖化対策」
関西ペイント株式会社が販売するアレスクールという塗料は、屋根に使われる高日射反射率塗料です。
「屋根から始める地球温暖化対策」をキャッチフレーズとして、屋根に塗装するだけで環境対策になると人気が高いです。
関西ペイント株式会社の歴史
関西ペイント株式会社は1918年に創立され、現代までずっと人の身体と環境の両方に気配りをしながら、より良い塗料の研究と開発をし続けてきました。
それぞれの塗料の製造と販売はもちろん、配色の設計やバイオ関連製品、電子材料関連製品などの製造と販売も行われています。
日本国内はもちろん、海外でもグローバルに活躍する塗料メーカーです。
関西ペイント株式会社の代表的な塗料
関西ペイント株式会社から販売されている代表的な塗料を紹介します。
コスモシリコン
コスモシリコンは外壁塗装に使用される、1液型の水性シリコン塗料です。
乾燥しやすく耐候性に優れているので、戸建ての外壁塗装でよく使用されています。
水性塗料であるため塗料独特のにおいが少なく、人体にも環境にも優しい塗料となっています。
ドリームコート
ドリームコートは防水性と透湿性、断熱性に特に優れた塗料です。
どの季節でも安定した性能を発揮してくれる塗料であるため、気候の差が激しい地域にも対応することが可能です。
防カビ性や防藻性も持っているので北側の壁や湿気の多い部分にも使用できます。
セラMシリコン
セラMシリコンは弱溶剤・2液型のアクリルシリコン塗料です。
耐久性と低汚染性に特に優れていて、きれいな外壁をより長持ちさせることが可能です。
「トータルコストを抑えられる」と選ぶ人も多くなっています。
株式会社日進産業
株式会社日進産業は会社の名前よりも製品の名前の方が有名になった珍しいパターンの塗料メーカーです。
JAXAのロケットに使用される塗料開発技術を基に一般使用のために改良した「ガイナ」という塗料が有名です。
その功績から数多くの賞を受賞しているのが株式会社日進産業です。
多くの雑誌やメディアでも紹介されたことから、知名度が高くなってきています。
株式会社日進産業の代表的な塗料
株式会社日進産業から販売されている代表的な塗料を紹介します。
ガイナ
先ほどもお伝えした通り、株式会社日進産業の代表的な塗料はガイナです。
外壁に塗るだけで部屋の温度が低くなるという性能を持った塗料で、実際に外壁に使用した人からは「部屋の温度が2度から3度下がった」という口コミも多く寄せられます。
ガイナには遮熱性はもちろん断熱機能もあるので、夏は涼しいのに、冬は一度室内を暖めると熱が逃げにくいというメリットがあります。
水性塗料であるため人体に優しく、においもきつくありません。
騒音を和らげるという性能も持っているので、建物の外の自動車や電車などの音が聞こえにくくなり、室内の生活音や話し声も外部へ漏れにくくなります。
株式会社アステックペイントジャパン
株式会社アステックペイントジャパン は、「100年ペイント」というコンセプトのもとで耐久性に優れた塗料を多く取り扱う塗料メーカーです。
日本ではそれほど有名ではないメーカーですが、実は日本よりも紫外線が3〜5倍程度強いオーストラリアでは外装建築用塗料ナンバーワンのシェアを誇ります。
株式会社アステックペイントジャパンの代表的な塗料
株式会社アステックペイントジャパンから販売されている代表的な塗料を紹介します。
EC-5000PCM
EC-5000PCMはアステックペイントジャパンの取り扱う塗料の中で最も有名なものの1つです。
ピュアアクリルを使用した塗料であり、伸縮性に優れています。
EC-5000PCMの伸縮率はなんと600%という驚異の数値を誇り、現在発売されている全ての塗料の中で最も高い伸縮性を持っています。
外壁は地震や大型車の揺れが原因でひび割れが発生することがあります。
しかしEC-5000PCMを塗ればある程度のひび割れは防ぐことができるでしょう。
アクリルと聞くと安い塗料のようなイメージがありますが、安価なアクリル塗料は不純物が多く混ぜられているので耐用年数が短くなっているのです。
しかしピュアアクリル塗料は添加剤などの不純物をできるだけ混ぜ込まないようにしたアクリル塗料であるため、フッ素塗料と同程度の耐用年数を持っています。
EC-5000PCM-IR
EC-5000PCM-IRはEC-5000PCMの機能をそのままに遮熱性を加えたハイグレードな塗料です。
ピュアアクリルが含有しているナノセラミック粒子により、太陽の光を跳ね返して内側まで熱が伝わりにくくなっています。
部屋の温度が上がるのを防げるため、夏の冷房費用を節約することもできます。
TOTOオキツモコーティングス株式会社
TOTOオキツモコーティングス株式会社は光触媒塗料で有名になった塗料メーカーです。
光触媒を活用して光と水の力で生活と地球環境を守るTOTOの先端技術であるハイドロテクトを応用して作られた塗料「ハイドロテクトコート」が特に有名です。
ハイドロテクトは、塗料はもちろんタイルをはじめとするTOTOグループの製品にも使用され、様々なシーンで活躍しています。
ただし現在ハイドロテクトコートの塗料は販売が中止されていますので、実際の施工に使用するのは難しいかもしれません。
AGCコーテック株式会社
AGCコーテック株式会社は昭和38年に「ボンタイル株式会社」という社名で設立されました。
2007年には現在の社名となり、建築仕上げ用の塗料はもちろん工業用や防食用の塗料の販売も行なっています。
それ以外にも煙突や橋、航空機や自動車など幅広い分野に対応している、総合塗料メーカーです。
AGCコーテック株式会社では「Look Beyond(未来を見据える)」をコンセプトに日々塗料の研究と開発が行われています。
フッ素樹脂塗料の先駆けとして知られていたり、吹きつけタイルの元祖である「ボンタイル」を開発していたりと、数多くの実績を持っています。
AGCコーテック株式会社の代表的な塗料
AGCコーテック株式会社から販売されている代表的な塗料を紹介します。
ルミステージ
ルミステージはAGC旭硝子のフッ素樹脂ルミフロンという材料を用いて、AGCコーテック株式会社が塗料に作り上げたフッ素樹脂塗料です。
どの外壁塗装業者でも取り扱っているものではなく、AGC旭硝子が認めた一部の認定施工店でしか取り扱われていません。
認定施工店であればどの業者でも品質が保証されているのがメリットで、最長10年のメーカー保障が付くのも嬉しいポイントです。
高級な塗料であるので費用は高くなりますが、耐用年数が10年から15年程度と長くなっているので、トータルコストで考えると費用を抑えられるケースも多いです。
紫外線に強いうえ、雨が降る度にきれいになるセルフクリーニングも備わり、長期間外壁を美しく保つことが可能です。
防カビ性や防藻性もあるので、日当たりの悪い外壁にも使用することが可能です。
ボンフロン・マットGT-SR
ボンフロン・マットGT-SRはその名の通り艶の無いマットな塗料です。
従来のフッ素樹脂塗料ではできなかった完全艶消しを実現していて、落ち着いた大人の雰囲気を醸し出してくれます。
水性塗料であるため塗料独特のにおいも少なく、人体にも環境にも配慮されています。
ラジカル制御型のGT仕様であるため、高音や多湿、離島や沿岸部などの外壁の敵となる環境でも十分に建物を保護してくれます。
ボンフロンサンバリア
ボンフロンサンバリアは高い遮熱性を持ち、太陽の光をしっかりと反射してくれる塗料です。
太陽の光の中で熱に変わる近赤外線領域を効率よく跳ね返し、室内の温度が上昇してしまうのを防いでくれます。
屋根の塗装でも活躍するので、外壁と屋根をまとめて塗装する場合でも施工しやすくなっています。
濃い色でも十分に太陽の光を反射してくれますが、淡い色や白色の塗料であればより高い反射性能を持っています。
株式会社日本プロツバル
株式会社日本プロツバルはJAXAで培った技術をもとに開発された「プロツバル」という塗料が有名な塗料メーカーです。
2005年に創立されたばかりの新しい会社ですが、創立当初より地球温暖化の問題に取り組み、できるだけ環境に配慮した製品を作れるよう努力した結果プロツバルシリーズの塗料が生まれました。
株式会社日本プロツバルの代表的な塗料
株式会社日本プロツバルから販売されている代表的な塗料を紹介します。
プロツバル
株式会社日本プロツバルの代表的な塗料といえば、プロツバルシリーズです。
プロツバルは長期間にわたり高い遮熱効果を持続してくれる塗料で、真夏の太陽にもしっかり対応することができます。
室内の温度を快適に保てるよう、戸建て住宅はもちろんマンションやビル、公共施設などの大きな建物でも活用されています。
施工にかかる費用も比較的安めとなっているので導入しやすく、多くの人から選ばれている塗料です。
他の遮熱塗料より色の選択肢が多いのも嬉しいポイントです。
外壁塗装に使用される代表的な塗料メーカー ~まとめ~
いかがでしたか、外壁塗装でよく用いられる代表的な塗料メーカーをまとめました。
それぞれの塗料メーカーには得意としている技術があり、ご自宅の立地環境や希望に合わせてメーカーを選ぶといいでしょう。
大手だから安心というわけではなく、施工シーンに合った最適な塗料を選ぶことが重要です。
よりぴったりな塗料を選び、賢く外壁塗装を行いましょう。
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一方で、強引な営業や、手抜き工事をされることも多く、業界そのものの信憑性に欠ける要素を持っています。
そんな状況下でも優良な外壁塗装業者は存在します。素人では見抜けませんが、外壁塗装一括見積サイトを通して、厳選なる審査をしているため、安心して優良外壁塗装業者と連絡することができるようになりました。
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